均一棚で知らない作家に出会うための、ささやかな決めごと
古本屋の店先に、百円や二百円の本を並べた棚があります。均一棚と呼ばれるもので、私の週末は、ほとんどこの棚の前で過ぎていきます。
均一棚の楽しさは、探している本が見つかることよりも、まったく知らない本に出会えることにあると思っています。そのために、自分の中でいくつか決めごとをしています。
一冊は「知らない作家」を買う
均一棚に行くと、どうしても知っている作家の名前に目が行きます。それはそれで楽しいのですが、それだけだと読む本の幅が広がりません。
そこで、一回の古本屋めぐりで、必ず一冊は「名前を聞いたこともない作家」の本を買うことにしています。百円なら、外れてもあまり痛くありません。
この決めごとで出会った作家のうち、何人かは今では新刊を追いかけるほど好きになりました。全体で見れば当たりは一割くらいですが、その一割がとても大きいのです。
最初の一ページだけ立ち読みする
知らない作家の本を選ぶとき、裏表紙のあらすじはあまり読みません。かわりに、最初の一ページだけを読みます。
文章のリズムが合うかどうかは、たいてい一ページでわかります。あらすじがおもしろそうでも文章が合わない本は、途中で読むのをやめてしまうことが多いからです。
背の焼け具合を見る
古い本は、日に当たっていた背表紙の色が抜けています。同じ棚に並んでいても、焼け具合はまちまちです。
よく焼けた本は、前の持ち主の本棚で長いあいだ日の当たる場所にいたのだろうと想像します。そういう本は、大事にされていたか、ずっと読まれずにいたかのどちらかで、どちらにしても少し気になってしまう。根拠のない選び方ですが、意外と当たりが多いのです。
均一棚は、本屋の新刊台とはまったく違うルールで並んでいます。そのでたらめさに身をまかせるのが、私にとっての休日の過ごし方です。
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