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本に挟まっていたもの。古本のしおりと書き込みについて

久我 修一2分で読めます000

古本を買うと、ときどき何かが挟まっています。書店のしおり、レシート、映画の半券、押し花。ページの余白に、鉛筆で線が引かれていることもあります。

新品で買った本には、こういうものはありません。古本ならではの小さな楽しみについて、書いてみます。

書店のしおり

いちばん多いのは、その本を最初に売った書店のしおりです。地名と店名が印刷されていて、すでに閉店した店のものも少なくありません。

一度、学生時代によく通った町の書店のしおりが出てきたことがあります。三十年以上前に、たぶん同じ時期に、同じ店で、知らない誰かがこの本を買っていた。それだけのことなのに、しばらくページをめくる手が止まりました。

鉛筆の線

書き込みのある本は、古本屋では値段が下がります。けれど私は、鉛筆で引かれた線が嫌いではありません。

線が引かれているのは、たいてい前の持ち主が心を動かされた一文です。自分が読んだときにはなんとも思わなかった箇所に線があると、どうしてここなのだろうと考えます。逆に、自分も線を引きたくなった箇所にすでに線があると、会ったこともない人と握手したような気持ちになります。

本は読まれるたびに、少しずつ違う本になる。

どこかで読んだ言葉ですが、出典を思い出せません。古本の書き込みを見るたびに、この言葉が浮かびます。

挟まっていたものの扱い

挟まっていたものは、基本的にそのままにしています。しおりやレシートは、本の一部のような気がするからです。

ただ、写真や手紙のように、個人的なものが出てきたときは別です。そういうものは、読み終えたあとに古本屋へ持っていき、店の人に渡すようにしています。前の持ち主に届くことはまずないでしょうが、自分の手元に置いておくのは違う気がするのです。

古本は、誰かの読書の続きを引き受けることでもあると思っています。次にこの本を手にする人のために、私も線は鉛筆で、薄く引くことにしています。

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